榮太樓

4月のお話し-缶入り水羊羹の話-

初夏も近づき、水菓子が恋しくなる季節がやってきました。
榮太樓の缶入り水羊羹は昭和43(1968)年の発売から50年来続き、贈答品にも喜ばれるロングセラー商品です。
今回は「缶入り水羊羹」のお話です。

缶に入った水羊羹はどうして「缶入り」と呼ぶのでしょうか?

戦後の市場拡大に対応していくため、「みつ豆」をはじめ「ところてん」「ゆで小豆」「おしるこ」など様々な缶入りスイーツを開発してきました。
その中の水羊羹は50年以上続く夏の代表菓子です。榮太樓では「缶詰」と言わず、あえて「缶入り」と呼んでいます。その理由として当時の開発者の想いが残されています。

「いくら今の時代に瓶缶詰加工方式のパックが便利で優れている、といってもその方式のために中身の品質が『生』のものと異なるというくらいならこんな容器は使用しない方がよい、ということが瓶缶詰加工方式に対する基本的なスタンスなのである。
水羊羹は舟流しからの“切水羊羹”に限りなく近いものでなければならない。」


夏季限定の生菓子「切水羊羹」があります。
「生菓子」に限りなく近いものを追求してなんとか夏場のエース格になる商品開発を進めたいという強い想いがありました。そこで着目したのが冷蔵庫の中でつめたく冷やして食べる「缶入り水羊羹」です。

生に近いその『美味しさをそのまま“缶入り”』にすることに成功しました。
こだわりは中身の味だけでなく、缶を開封する際に手を切らないための安全性や、開けやすさなども試行錯誤したのです。
昭和46(1971)年には「小倉水羊羹」、昭和56年(1981)「葛櫻」、平成21(2009)年「葛小氷」と種類は増え、現在は4種類を取りそろえております。

そして時代は個食化と便利さが進化する中で、スプーンを使わずに片手で手軽に食べる「ひとくち水羊羹」を発売。開発に5年という歳月をかけようやく2023年に完成しました。

長年多くのお客様から愛されている水羊羹を夏の贈答品としてご利用くださいませ。